ネットワークエンジニアはフリーランスはどう?正社員、派遣どれがいい?

ネットワークエンジニアはフリーランスはどう?正社員、派遣どれがいい?

ネットワークエンジニアはフリーランスで独立が得?

最終更新日 2024/3/11
執筆者:Hidenori

 
「ネットワークエンジニア」と一言で言っても働き方は様々です。ワークライフバランスを重視して派遣社員として働くエンジニア。
 
スキル向上を目指して正社員として就業するエンジニア。フリーランスとして月収100万円超を稼ぐエンジニア。
 
働き方改革の影響もあり、ネットワークエンジニアの働き方も多様化しています。事実、エンジニア専門の派遣会社やフリーランスエージェントも増えました。キャリアについて迷われている方もいるのではないでしょうか?
 
この記事では、現役のネットワークエンジニアの私が働き方を徹底比較いたします。具体的には「正社員」「派遣社員」「フリーランス」のメリット・デメリットを記載します。
ぜひ最後までご覧ください。

目次

ネットワークエンジニアが「フリーランス」として働くのが得?フリーランスのメリット

ネットワークエンジニア フリーランス

フリーランスのメリット1:高単価

フリーランスになれば正社員や派遣社員と比較して高収入を得ることができます。3年以上の経験があれば月60万円以上稼ぐことは難しくありません。参考までにネットワークエンジニア経験年数における月単価は次の通りです。

・経験なし    :35万〜50万円/月
・経験1〜2年   :40万〜65万円/月
・経験3年程度  :50万〜70万円/月
・経験5年以上  :60万〜80万円/月

 
このように経験があれば高単価を得ることができます。

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フリーランスのメリット2:仕事を自分で選ぶことができる

フリーランスエンジニアであれば自分自身で案件を選ぶことができます。自分の希望する勤務条件に沿って働くことができます。
 
「仮想ネットワークの構築がしたい」「ネットワーク更改の対応がしたい」等です。そのため、仕事に対して高い納得度をもって望むことができます。

フリーランスのメリット3:職場の変更が容易

フリーランスは職場の変更が容易です。職務経歴を例に説明します。
 
職場を3年で5社勤務されている方がいるとします。派遣社員や正社員であれば多すぎる転職履歴は企業から敬遠されるでしょう。フリーランスであれば特に問題ありません。
 
スキルシートに「プロジェクトに5社アサイン」と記載するのみです。職務経歴が増えても気にする必要はありません。スキルアップを目指していろんな現場を経験するといった働き方も可能です。

ネットワークエンジニアが「フリーランス」として働くデメリット

次にデメリットを見てみましょう。

フリーランスのデメリット1:不安定

フリーランスは就業の不安定さというデメリットも甘受しなければなりません。プロジェクト毎の契約が多く、プロジェクト完了と同時に勤務終了となります。
 
その度に次の案件を探さなくてはなりません。フリーランスエージェントも多数存在しますが案件を獲得できるかどうかは自分次第です。
 
次の案件が決まらず、空白期間ができてしまうケースもあります。また、最も人員調整の対象となりやすいのがフリーランスです。
 
企業の業績悪化の場合は「フリーランス>派遣社員>正社員」この順番で切られていきます。特にフリーランスは雇用契約ではないので企業側からすると切りやすいです。

フリーランスのデメリット2:教育を受けるケースは少ない

ほとんどの企業はフリーランスに対して育てようとは考えていません。ある一定の仕事をしてもらうために仕事を発注しようと考えています。
 
よって、教育を受ける機会はほぼありません。自学自習が求められます。スキルアップは自分の時間に自己負担で実施する必要があります

フリーランスのデメリット3:年金や健康保険の負担

会社員であれば年金や健康保険は雇用主が支払ってくれます。*正確には50%ずつ折半し被雇用者分は給与より天引き。
 
しかし、フリーランスの場合は全額自己負担です。付随して、年金や健康保険の支払い手続きも各個人で実施します。フリーランスはこうしたバックオフィス業務も自分で行う必要があります。

ネットワークエンジニアが「正社員」として働く場合のメリット

正社員のメリット1:スキル向上

正社員として働く場合はスキル面で大きなメリットを受けることができます。ネットワークエンジニアの雇用形態の中で一番スキルの向上が見込まれるのが正社員です。
 
正社員として雇用する企業の多くは教育制度が整っています。座学研修・OJT・チューター制度が代表例です。会社側がネットワークエンジニアとして効率よく成長するために制度や研修を整えてくれています。

正社員のメリット2:福利厚生

スキル向上のための福利厚生も充実しています。資格取得の報奨金が代表例です。ネットワークエンジニアは資格取得すると報奨金がもらえることや給料アップすることがよくあります。
 
ちなみに、私が以前いた会社では次のような資格取得手当を受けることができました。

・ CCNA(ネットワークのエントリー向けの資格) 取得後2年間給料に+1万円/月
・ CCNP(ネットワークの上級者向けの資格)   取得後2年間給料に+3万円/月
・ CCIE (ネットワークの最上位者向けの資格)  取得後2年間給料に+8万円/月

他の企業でもこのように資格取得の支援制度を設けています。また、会社負担で外部研修へ参加させてもらえる機会もあります。

正社員のメリット3:雇用の安定

派遣社員やフリーランスと比較すると、やはり正社員は安定しています。
 
一度入社すると解雇されることは基本的にありません。ネットワークエンジニアは特に解雇されづらいです。貢献度を数値化することが難しく、会社にとって必要なのかの判断がつきづらいためです。そのため、正社員であれば閑職に追いやられることはあっても解雇されるのは稀です。

ネットワークエンジニアが「正社員」として働く場合のデメリット

次にデメリットを見てみましょう。

正社員のデメリット1:業務量が多い

正社員であれば業務量はどうしても大きくなってしまいます。ネットワークエンジニアの業務範囲はあいまいなことが多いです。特に改善案や報告書の作成の様にバックオフィス的な業務は正社員が対応するケースが多いです。
 
よって、どこまでやっても終わりが見えないといった事象に陥りがちです。そのため、「業務を限定化して仕事したい」といった方には不向きです。
 
加えて、担当外の業務へ駆り出されることもあります。ネットワーク更改作業が代表例です。
 
更改作業とは、エンドユーザが使用していない時間(深夜等)にネットワークの設定変更を行うことです。正直、面倒ですが正社員であればこういった案件にも対応しなければなりません。

正社員のデメリット2:人事評価

「正社員は成長できる」と先述しました。逆を返せばある程度成長を強制されるということです。具体的には成長を人事評されるということです。
 
これが面倒だと思うエンジニアは多いです。私自身も人事評価で目標設定をしなければならなかったのが憂鬱でした。
 
ただでさえ日々の業務で忙しいのに「半期目標」や「成長目標を」書いて提出しなければなりません。ちなみに私がいた会社では人事評価のために次のような提出書類がありました。

・ 月報          今月の目標における達成進捗を報告する
・ 目標設定四半期報告書  四半期に目標における達成進捗を報告する
・ 半期報告書       半期のふりかえりとまとめ
・ 年間報告書       年間の振り返りとまとめ。目標達成の成否

こういったことをするわけです。特に自社業務ではないSES企業にこの傾向が顕著です。ネットワークエンジニアは営業と異なり業務目標を数値化することが極めて難しいです。
 
それでも人事から「スマートの法則に乗っ取って目標設定しなさい」や「KPI」等指摘を受け報告書の作成は憂鬱でした。

正社員のデメリット3:人間関係

正社員であれば飲み会や会社行事へ参加する必要がある場面も出てきます。派遣社員やフリーランスであれば飲み会などに参加を強要されるケースは少ないです。
 
また、正社員であれば派遣社員やフリーランスと比べ転職へのフットワークは重くなりがちです。なので、今の職場の人間関係が合わないので職場を変えるということが難しいです。

ネットワークエンジニアが「派遣社員」として働く場合のメリット

派遣社員のメリット1:業務範囲が限定的

派遣社員であれば対応する業務の幅が限定的です。他現場のフォローに行くことや担当外業務の手伝いに回されるようなことはありません。指示された業務をきちんとこなせば何も言われることはありません。
 
よって、正社員と比べると担当業務のみに集中することができます。また、派遣社員は何をするのかが応募段階から明確になっています。
 
「公官庁向けのネットワークの構築をする」や「金融機関向けのネットワークの運用・保守をする」といった具合です。よって、自分の担当したい業務へピンポイントで応募することができます。

派遣社員のメリット2:ワークライフバランス

最もワークライフバランスが取れた働き方が派遣社員です。給料は基本的に時給で支払われるため無意味な残業は少ないです。
 
加えて、飲み会への参加や目標設定等、業務に直接関係ないことに振り回されることもありません。突発的なトラブルへの対応も正社員>派遣社員となるので振り回されることも少ないです。

派遣社員のメリット3:職場を変更できる

これには2つのメリットがあります。
 
1つは、「人間関係が合わなくても職場を変更できるという面」です。派遣社員は3カ月契約であることが多いです。そのため、職場にどうしても合わない人がいた場合は3カ月で職場を変更することができます。その点で人間関係において気楽です。
 
2つ目は、「ステップアップ・キャリアアップのために職場を変更できるという面」です。ネットワークエンジニアは<監視→運用→構築→設計→要件定義>このステップでキャリアアップしていくことが一般的です。派遣社員であればこのステップをフットワークよく駆け上がっていくことができます。

ネットワークエンジニアが「派遣社員」として働く場合のデメリット

次にデメリットを見てみましょう。

派遣社員のデメリット1:雇用が不安定

派遣社員は3カ月更新が基本です。そのため、更新のタイミングで契約終了されるケースがあります。(いわゆる派遣切り)
 
こちらが問題なく業務をこなしていたとしても企業側の都合で契約終了になるケースは多々あります。プロジェクトの終了や予算減における人件費削減などが代表例です。

派遣社員のデメリット2:成長は自分次第

ネットワークエンジニアとして成長していくために自学自習は必須です。正社員であれば目標管理や上長面談といった形で成長を促されます。しかし、派遣社員であれば成長しなくてもなんとかやっていけるのも事実です。
 
派遣社員の場合は「スキルアップに努めるように」と一応の推奨をされるだけです。そのためスキルアップの成否は自分次第です。
 
私の職場では派遣社員が約30人いました。目に見えてスキルアップに努めているのは2人でした。強制力がない状態での自学自習というのは思いのほか難しいのだと思います。
 
スキルアップが望めないということについては、以下の記事でも取り上げています。

ネットワークエンジニアはやめとけ!おすすめしない理由がスキルアップが望めないことを挙げています!

派遣社員のデメリット3:裁量がない

ネットワークエンジニアとしての裁量がないゆえ成長できない場合があります。派遣社員として就業する場合は必ず指揮命令者が存在します。そのため自分の判断で物事を進めるケースは正社員に比べると少ないです。
 
よって、裁量という側面から見ると正社員>派遣社員となります。派遣社員として就業する場合は裁量の少なさという環境も甘受しなければなりません。

ネットワークエンジニアのケース別・年齢別おすすめの働き方

大学新卒:正社員を目指す

大学新卒であれば正社員としての就業を目指しましょう。日本企業のいいところとして未経験でスキルのない若者を育ててくれます。新卒カードはネットワークエンジニアを志す方にとっても最強の切り札です。
 
以下に代表例を張っておきました。このような企業に入社できればネットワークエンジニアとして箔が付き今後のキャリア選択の際に有利に働くでしょう。

【SKY株式会社】今、伸びに伸びているメガベンチャー

SKY

【伊藤忠テクノソリューションズ】安定と挑戦を両立

伊藤忠テクノソリューションズ

【NTTデータ株式会社】海外向け案件も好調

NTTDATA

画像出典:NTTDATA 公式HP

30歳未経験者:派遣社員がおすすめ

ネットワークエンジニアに30歳未経験から挑戦したいのであれば派遣社員をおすすめします。理由はすぐに経験を積ませてもらえるからです。
 
ネットワークエンジニアの業務は多岐にわたっています。要件定義やネットワーク構築の様にスキルや経験を必要とする業務もあります。半面、監視や運用のようにスキルをそこまで必要としない業務もあります。そういった業務であれば未経験からでもアサインされやすいです。
 
参考までにこの下に30歳未経験から挑戦できる求人例を張っておきました。イメージをつかんでいただければと思います。
 

 

 
派遣社員として1~3年程度勤務すれば正社員への転職やフリーランスへの転身も見えてきます。まずはネットワークエンジニアとして実務経験を積むことが大切です。

ネットワークエンジニアが未経験でおすすめ派遣会社3選

正社員としてネットワークエンジニアの経験3年以上:フリーランスがおすすめ

ネットワークエンジニアとして正社員の経験が3年以上あるのであればフリーランスをおすすめします。経験とスキルのあるネットワークエンジニアは引く手あまたです。
 
フリーランスに転身すれば月単価60万円は堅いです。参考までに経験を3年程度ある方向けのフリーランス案件を載せておきます。
 
また、フリーランスであれば副業で稼ぐいうのもありです。
 
参考:DAINOTE(エンジニア副業におすすめのサイト6選!週1-3・土日OKの案件の探し方や稼ぐコツを解説)

フリーランス求人情報1:官公庁向けのネットワーク更改案件

ネットワークエンジニア✖️官公庁向け

 
*オンプレミスとは実際のネットワークやサーバなどが管理者の敷地内にあることです。物理的なネットワークやサーバを操作します。(対義語:クラウド)

フリーランス求人情報2:航空会社向けのネットワーク構築作業

ネットワークエンジニア✖️航空会社向け>

 
*ネットワークエンジニアはフリーランスでであっても企業オフィスに出社して働きます。リモートワーク案件は少ないです。(全体の1割程度)セキュリティ面で不安があり企業側がリモートワークに積極的ではないからです。

それぞれの働き方の強みを活かしてスキルアップしよう!


ご覧いただきましたようにそれぞれの働き方は一長一短です。したがって、それぞれの強みを生かしてスキルアップしていくことが大切です。
 

・正社員のメリットは成長するために強制力がある組織に身を置けることです。
・派遣社員のメリットは余暇時間が豊富にあり、自学自習に時間を使えることです。
・フリーランスのメリットは職場をフットワーク軽く選ぶことができ多様な経験を積める点です。

これらのメリットを最大限に活用して成長していくことが大切です。

まとめ

「ネットワークエンジニアの働き方徹底比較」いかがでしたでしょうか。ネットワークエンジニアは給料も高く、比較的休みもとりやすく勤務環境もよいケースが多いです。
 
しかし、働き方を間違えてしまうと安く買いたたかれたり、成長できなかったりします。働き方の多様化に伴いキャリア選択に迷われているエンジニアもいると思います。
 
この記事がキャリア選択における意思決定の一助になればと思います。最後までお読みいただきありがとうございました。

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派遣会社の強みや評判を総合的に確認できるので、合わせて確認するといいと思います。
 

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この記事の執筆者

HIdenori

様々なアルバイト、ケータイショップの職を経て2010年よりネットワークエンジニアの道へ。NTTデータ・NTTドコモ・NTTcomなどの派遣社員を経験、現在もNTT系の企業で派遣社員として働いている。