派遣健保が解散で何が変わった?保険料は?協会けんぽと派遣健保のちがい

派遣健保 解散人材派遣健康保険組合(派遣健保)は、平成31年3月末日をもって解散し、平成31年4月から全国健康保険協会(略称:協会けんぽ)に移行しました。この決定は多くの派遣に影響し、保険証が新しくなった人も多いと思います。
しかし、保険証が変わった事以外にも、実は保険料や保証内容など様々な事柄が違うことをご存知でしょうか?
 
このページでは派遣健保が解散し、協会けんぽなった事による違いや何が変わったのかをまとめます。
 

派遣で健康保険に加入する条件とは?

まず、派遣でも一定の条件を満たすと健康保険に加入する事が出来る事はご存知のところでしょう。
 
雇用期間が2ヶ月以上
勤務日数・勤務時間が正社員の4分の3以上

 
この条件を満たすと、派遣でも会社の健康保険に加入することができます。
 
そして以前まで大手派遣会社をはじめ派遣会社の多くは「派遣健保」に加入していました。
 
しかし、その派遣健保は2019年3月31日に組合を解散してしまいました
 
高齢者の加入割合の増加と、それによる医療費負担の増加が主な理由だとしています。
 
よって、今までは派遣健保に加入していた約51万人の派遣社員とその家族の多くは、2019年4月より協会けんぽに移行となったのです。
 

派遣健保と協会けんぽの違いを理解しておこう

「全国健康保険協会(協会けんぽ)」は、全国健康保険協会という団体が運営しています。
 
全国で約217万社もの会社が加入する、日本最大の被用者保険です。一般企業の多くが加入していて、主に中小企業のサラリーマンとその家族が加入する公的医療保険です。
 
対して「人材派遣健康保険組合(派遣健保)」は常時700人以上の従業員が働いている企業が、単独、あるいは共同して設立して運営しています。その会社の従業員が加入します。
 
どちらも同じ社会保障制度ですが組合健保の方が保険料が安いことが多く、また内容が充実しています
 
それでは、派遣健保から協会けんぽへ移行したことによって何が変わったのか詳しく見ていきましょう。

協会けんぽは住んでいるところによって保険料が異なる

まず、派遣健保から協会けんぽへ移行することによって、保険料が変わります。
 
派遣健保が属する組合健保の保険料率は3%~13%の範囲で健保組合ごとに設定して良いことになっています。
 
派遣健保の平成30年度保険料率は、一律で「9.7%」でした。
この保険料率を派遣健保が半額負担してくれていたので、実質負担していたのは「4.85%」になります。
 
対して、新たに移行する協会けんぽの保険料は、協会が都道府県別に料率を設定します。
 
つまり、協会けんぽは都道府県ごとに保険料が異なるのです。
 
この都道府県は会社の所在地がある都道府県(健康保険適用事業所の届出を行っている場所)になります。
自分が住んでいる居住地ではないので、引っ越したから保険料が変わるということはありません。
 
また、本社や支店など事務所が他県をまたがって存在する場合、健康保険適用事業所の届出を行っている場所、本社が一括で申請を出しているような場合は事業者の所在が別の県でも、申請している本社の所在地で保険料が反映されます。
 
つまり本社が東京であなたが勤めている事業所が埼玉でも、本社が申請している東京の保険率でで保険料が決まります。
 
もしも自分の反映されている保険率がどの県であるか分からなければ、協会けんぽの健康保険証で確認できます。
「保険者名称」欄に「全国健康保険協会○○支部」と記載されていますので、その〇〇の都道府県の保険率が反映されていることになります。
 
それでは、例として主要都市を抜粋します。
 

都道府県 保険料率
宮城県 10.10%
東京都 9.90%
神奈川県 9.91%
大阪府 10.19%
福岡県 10.24%

 
他県や前年比など詳しくは協会けんぽ公式HPより確認ください。
>>【協会けんぽ】平成31年度都道府県単位保険料率
 
公式サイトで表を確認すると、全国の令和元年度(平成31年度)の保険料率は9.63%~10.61%の範囲内に収まっています。
 
その中でも派遣健保の保険率の「9.7%」を下回るのは

・長野県(9.69%)
・新潟県(9.63%)

の2県のみとなっています。
 
よって長野県、新潟県以外の人は協会けんぽに移行したことによって保険料が高くなったことになります。
 
%ではイマイチ分からない方のために具体的な保険料を見てみましょう。
ここでは上記の表で一番利率が高い福岡県(保険料率10.24%)で例を出してみます。
 

■福岡県月給20万円の場合(令和元年)
 
派遣健保の保険料は「9.7%」
派遣健保が半額負担なので、実質負担していたのは「4.85%」になります。
 
月々の保険料は、
200,000円×4.85%=9,700円
 
協会けんぽの福岡県の保険料は「10.24%」
派遣健保が半額負担なので、実質負担していたのは「5.12%」になります。
 
月々の保険料は、
200,000円×5.12%=10,240円

 
つまり、福岡県で月給20万だった人は、保険料が月540円。年間にすると6,480円高くなることになります。
この金額は結構大きいですよね。
 

介護保険の上乗せ

協会けんぽや派遣健保に限らず、すべての人が40歳になると介護保険に加入が義務付けられ、保険料を支払うことになります。
 
40歳から64歳までの被保険者は加入している健康保険と一緒に徴収されます。
協会けんぽでは40歳からは上記の健康保険料にプラスして全国一律の介護保険料率1.73%(令和元年)が加わることになります。
 
40歳になって急に保険料が上がって驚くことのないように、一般知識として覚えておきましょう。
 

どうして都道府県によって保険料率が異なるのか?

どうして協会けんぽは都道府県によって保険料率が異なるのでしょうか?
 
それは、都道府県ごとに必要な医療費(支出)が異なるからです。
 
都道府県ごとの保険料率は、地域の加入者の医療費に基づいて算出されています。
高齢者の割合が多かったり、医療費が必要となる人が多いと、協会けんぽの支出が増えて保険料は高くなります。
 
また、加入者の月収が高いと協会けんぽへの保険料(収入)も多くなります。
 
つまり、保険料(収入)と医療費(支出)のバランスが各都道府県によって違うので保険料率も異なるのです。
 
この収入と支出のバランスを見直すために、保険料率は毎年度改定される。ことを覚えておきましょう
 
では、地方の方が保険料が高いのかというと、そういうわけではありません。
 
例えば、高齢者の割合が多い県でも疾病の予防などの取組により都道府県の医療費が下がれば、その分都道府県の保険料率も下がることになります。また、月給の高い都市圏では、加入者の人数が多く医療費の負担額も膨大にかかります。
 
現に前年度(平成30年度)と比べて保険料率が安くなっている都道府県は47都道府県中17県ですが、そのほとんどが東北地方と中部地方でした。
 
なるべく都道府県で保険料率の差が出ないように設定されているようですが、今後も加入者や高齢者の増加が予想されるので、年々保険料が上がっていく可能性は否定できないでしょう。

協会けんぽは健康診断の条件が厳しい

協会けんぽになった事により、保険料も他に健康診断の条件も変わりました。
協会けんぽと派遣健保の健康診断の違いは以下のように変わります。
 

・派遣健保は以下の一般検診項目は35歳未満も受診できた
身体測定/眼科検査/尿検査/血液検査(肝機能検査・脂質検査・糖尿病検査・一般血液検査)/循環器系検査(血圧・心電図)/呼吸器系検査(腹部V線)
協会けんぽでは一般検診が35歳以上でないと受けられなくなった
 
・派遣健保は年齢関係なく希望すれば乳がん検診が受診できた
協会けんぽでは乳がん検診が40歳以上でないと受けられなくなった
 
・派遣健保は乳がん検診、および子宮頸がん検診が希望すれば毎年受診できた
協会けんぽでは乳がん検診、および子宮頸がん検診が2年に1回、偶数の年齢になった

 
このように、残念ながら協会けんぽは今までの派遣健保よりも健康診断の内容の制限が厳しくなります
 
特に35歳以下の女性は検診できる項目がかなり少なくなるのは、移行するに当たって残念なポイントになるでしょう。
 
もし、条件に当てはまらない年齢対象外でも健康診断や乳がん検診を受けたいということであれば、検診を行っている近くの病院で自分で手配を行って全額を負担しなければいけません。
 

加入する健康保険は選べないの?

お伝えした通り、協会けんぽに移行したことによって多くの人が保険料が上がり、また健康診断の内容の制限が厳しくなりました。
 
ここで、自分で健康保険を選ぶことはできないのか?もっと良い条件の保険があればそっちに入りたい!という人もいるでしょう。
 
しかし、残念ながら健康保険を自分で選ぶことは出来ません。
 
どこの健康保険に加入するかは、勤めている会社に応じて決まるのです。
同じ会社に勤めている人は全員同じ健康保険に加入することになります。
 
このように会社によって保険が異なるのですが、派遣の人は全員が協会けんぽなのかというとそうではありません。
 

協会けんぽに加入している派遣会社の例
・スタッフサービス
・テンプスタッフ
・パソナ
・パソナ
・マンパワー
・ヒューマンリソシア
・アヴァンティスタッフ

 

協会けんぽに加入していない派遣会社の例
・リクルートスタッフィング(リクルート健康保険組合)
・ランスタッド(関東IT ソフトウェア健康保険組合)
・マイナビスタッフ(毎日新聞社健康保険組合)
・パーソルパナソニック HRパートナーズ(パナソニック健康保険組合)

 
大手派遣会社の多くは協会けんぽになりますが、協会けんぽ以外の保険に加入している派遣会社も存在するのです。
 
同じ職場、同じ給料条件でしたら、毎月の保険料の違いの積み重ねは大きいので、採用している保険も考えて派遣会社選びをすることも大切になってきます。
 
協会けんぽに加入していない派遣会社の中で特におすすめなのが、リクルートスタッフィングのリクルート健康保険組合です。
 

リクルート健保がおすすめの理由

 
リクルートスタッフィングでは健康保険はリクルートのグループ各社が参加し運営している、リクルート健康保険組合に加入しています。
 
リクルート健保のメリットは何と言っても保険料が他の健康保険に比べて安いことです。
 
リクルート健保の保険率は「8%」
実質負担が「3.85%」になります。(事業主が半分以上負担してくれます)
 
派遣健保は「9.7%」、協会けんぽはそれ以上(都道府県によって異なる)なのでリクルート健保は圧倒的に低い数値なのがお分かりになると思います。
 
上記で試算した、福岡県で月給20万円の場合をリクルート健保でも見てみましょう。
 

リクルート健保の月々の保険料は、
200,000円×3.85%=7,700円
 
派遣健保の月々の保険料が9,700円
協会けんぽの月々の保険料が10,240円

 
協会けんぽとリクルート健保の月々の保険料の差は2,540円。年間ですと30,480円。
同じ給料でも保険の違いいでこんなにも差が出ることになります。
 
また、保険料の他にも以下のようなメリットがあります。
 

・条件を満たせば『1万円』の窓口負担で人間ドックを受診することができる。
・「歯科健診センター」と提携している全国の歯科医院で「無料歯科健診」を受信可能
・福利厚生として以下のジムが法人価格で利用できる。

コナミスポーツクラブ(1,600~3,200円/回 会員証発行手数料1,000円)
東急スポーツオアシス(1,200円/回 会員発行手数料1,000円)
スポーツクラブNAS(1,000円/回 会員発行手数料無料)
ルネサンス(1,500円/回 会員発行手数料1,000円)

 
この様にリクルートが健保は他の健康保険と比べても保険料が安く、特典が多いおすすめの保険です。
 

けんぽのここカラダで健康に役立てよう

リクルートが健保では「けんぽのここカラダ」というサービスを利用できます。
 
「けんぽのここカラダ」は毎年の健康診断の結果をアプリやパソコンから確認することが出来て、その結果を元に総合的な健康リスクを自動で判断してくれるサービスです。
 
健康診断の結果が来ても、どう行動すれば良いのかわからず、経過観察ぐらいの結果だと、そのまま放置してしまう人も多いと思います。
 
そんな時に「けんぽのここカラダ」を利用すれば具体的に何が良いか、悪いか、このままだとどういった病気になってしまいやすいのかを示してもらえるので、今後の生活習慣に大いに役立つサービスです。

健康保険も見据えた派遣会社選びをしよう

いかがだったでしょうか?
 
派遣健保と協会けんぽの違いをまとめました。
 
今回の派遣健保の解散によって、多くの派遣が影響を受けることとなります。
健康保険について深く考えた事がなかった方も多いと思いますが、この機会に「健康保険の現実」について理解しておきましょう。
 
また、月々の保険料の金額の差が組合や協会によって差があるということも分かっていただけたと思います。
派遣会社によって加入している健康保険は異なるので、派遣会社を探す際には、保険や福利厚生なども確認して検討すると良いでしょう。
 
働きやすい勤務先に出会うには、良い派遣会社、質のいい担当者は必須条件です。
 
特に派遣会社の担当者は仕事を紹介するところから、辞めるところまで、勤務中の相談も含めてあなたのフォローをしてくれます。
どれだけ良い担当者に出会えるかが、今後の働き方に影響してくるでしょう。
 
以下で紹介している派遣会社は、定期的に研修を行い質の高い優秀なスタッフが揃っているオススメの優良派遣会社です。
 
是非、参考にして見て下さいね。

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